「データは100か0」老舗写真館が捉える“写真のかたち”とは / 金沢の写真館フォトコザカ

 

 

 

いきなりですが、フォトコザカのプランの特徴は【必ずアルバム/プリントが付属する】こと。

 

時代的にも[プランにデータが含まれていて、アルバムはオプションで購入]というスタジオさんが多いですが…当店は頑なにアルバムを作り続けています。

 

 

というわけで、今回はその理由や背景についてインタビュー形式でお届けします!

 

せっかくなので、代表兼カメラマンの小坂に話を聞いてみました。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

【 プランに必ずアルバムが付く理由 】

 

 

当店の[ユニットアルバム]。ページをどんどん増やせます。

 

 

 

― まず、フォトコザカの[全プランにアルバムが付く]理由をざっくり教えてください。

 

 

小坂(以下小):はい!
まず、データってたくさん保存できるんですけど…

意外と見返さなかったり、整理しづらかったりするなあと思っているんです。

たとえば10歳のお子さんに今までの写真を見せたいとき、スマホにデータが入っているだけだと、すぐに手に取って見せづらいなあと。

 

 

― たしかに…

 

 

小:

アルバムって、ある意味“無理やり”写真を形にするものなので、思い立ったときに手に取りやすいんですよね。「物として見ることができる」というのは大きいです。
あとはやっぱり、「消えない」っていう部分も重要かな。

 

 

― 消えない、ですか。ただデータも「形がないからこそ消えない」と考える人もいそうですよね。災害に遭ってもクラウドに残っていればまた見られるとか…。

 

 

小:

確かにそれはデータのいいところです。

ただ、データにも「消える可能性」は結構あって。クラウドが飛んだら自分の力では修復できないし、100か0の存在なんですよね。

 

 

― 100か0! 本当ですね…!

 

 

小:

その点、アルバムやプリントは“グラデーション”があると考えています。

傷がついても写真の内容が完全に見えなくなるわけじゃない。銀塩プリントやしっかりした印刷なら、耐久性も本当に強いです。

ここが家庭で印刷したプリントやスピード印刷と大きく違う点ですね。

 

 

― 同じプリントでも印刷のされ方によって変わるんですね。

 

 

小 :
めちゃくちゃ変わります笑!耐久性だけじゃなくて色の出方とかも全く違うんだけど…それは今は置いといて。

物になっている以上、その写真は0にはならない。何かしらの形で残ると信じてます。

関東大震災の時もたくさんの写真が土砂から修復されたしね。それも人の手で。

 

 

 


 

 

 

【 写真と“五感”のかかわり 】

 

 

インタビューの様子。画像右が小坂です。

 

 

 

 

小:

あとはやっぱり、“形になる”って人間の五感と結びついていると思っていて。写真って実際に触れるし匂いもあるじゃないですか。

たとえば「これ実家の匂いだ!」みたいな記憶、ありませんか?

 

 

― ありますあります!

 

 

小:

一般的には「写真=視覚」というイメージが強いと思うんですけど、実際には「手触り」や「匂い」もある。
五感を使って感じる物だから、“写真が撮られた時の光景”だけでなく“アルバムを見た時の光景”も人の記憶に刻まれるんじゃないかなあと。両親の結婚写真を子供が見た時の記憶とかね。

 

 

― それは私も実体験があります!アルバムを見た時に誰がいたか、どんな季節だったとか覚えてますね。

 

小:
うちで撮るような記念写真って“思い出を蘇らせる装置”みたいなところがあるので、その意味でも、アルバムとして形にして残してもらいたいなと思ってます。

あと今「誰がいたか」って言ってくれたよね。

 

 

― はい。

 

 

小:
アルバムって人が集まるきっかけになるなと思っていて。家族の誰かがアルバムを開いたら自然とみんな見にくるし、そんな力があると思います。

もちろんパソコンやスマホを囲んで写真を見るってこともありますが、アルバムのほうが“囲みやすさ”があるんですよね。
「場感」っていうのかな…その時間も記憶に残りやすいと思うんです。

 

 

― やはり“人の記憶“を大切にしているんですね。

 

 

小:
言われてみたらそうかもね。
このアルバムを見てた時に誰かがお茶を淹れてくれて、誰かがお茶をこぼして、そのシミが残っちゃうとか笑。それも家族の思い出の一つなんですよね。

 

 

 


 

 

 

フレームは”導線“をつくるもの 】

 

 

当店の[キャンバスフレーム]。一点一点手作りしています。

 

 

 

 

― 話が少し変わるんですが、「フレーム」についてはどうでしょう。
アルバム・プリントとはまた違う、“壁に飾る用の写真”として、どんな想いがありますか?

 

 

小:

フレームとアルバムでは、また特性が違うかなと思っています。
アルバムは「残す」ことに魅力があるんですが、日常的にはあまり開かれない存在ですよね。

 

 

―たしかに…結婚のアルバムとか、そんな気がします。

 

 

小:

そうそう。「あのアルバム見ようか!」って思い立つことって、あまりないと思うんです。誰かに話題を振られたりきっかけがないと開かない。

その点、フレームはもらったらとりあえず“飾る”じゃないですか。だから写真を見返す導線になりやすいんですよね。

 

 

たとえば、お子さんの写真で0歳、1歳…とフレームがあると、それがきっかけになって「あの時どうだったけ」とアルバムを開いたりするかなと。そうやって団欒が生まれていく気がします。

 

 

― 言われてみれば、友人の家にお邪魔した時にフレームを見て「これ結婚写真?」「ニューボーン撮ったんや〜」って話になることがあります。そこからデータを見せてもらったり…

 

 

小:

そうそう。データだけだと見せる側から話題を切り出さないといけないけど、フレームは家庭内外で自然とフックになってくれるんです。

 

 

 


 

 

 

実際に家庭でどう使ってる? 】

 

 

 

当店セレクトスペースには小坂家の家族写真がずらり。

 

 

 

 

― 話は変わりますが、ヤスさん(小坂)のご家庭ではアルバム・フレームをどう扱っていますか?(小坂は二児のパパです)

 

 

小:

え! リビングにふつーに飾ってるよ。長男・次男それぞれのフレームとか、表紙に写真があるアルバムなんかも壁にボンッて。

 

 

― すごい、そんな日頃から見られる状態で!お子さんたちは昔の自分の写真に言及したりするんですか?

 

 

小:

子どもたちにとっては当たり前の光景だから、別に何も言いません笑。

でも親としては、子どもの成長を感じたときにアルバムが目に入ると「この頃泣いてばっかやったのに大きくなったな〜」って、愛でる機会になってます笑。

 

 

― 笑

 

 

小:

逆に「なんも変わらんな〜」って愛でる。
兄弟の様子なんかも写真に残ってるし、それにも色々感じて、やはり愛でる。

 

― 愛でるきっかけになってるんですね。

 

小:なりまくりだよ!

 

― そういえば私の実家は両親の結婚式とか、新婚旅行の写真が飾られてるんですけど。

 

小:え!すごいじゃん。

 

 

― 実家にいた時は子供だったしそれこそ”当たり前の光景“だったんですけど、大人になってからそれを見るとなんというか…感慨深いものがあって…

 

 

小:愛でたの!?

 

 

― そうですね照。

今の自分と同じ年齢なんだなあとか、お金貯めて結婚式を開いたんだなあとか、今だからこそ感じるものが色々ありました。

それがきっかけで、昨年アルバムを見せてもらったりして。

 

 

小:

写真って撮ったすぐに「見たい見たい」って言われるけど、10年後、30年後も、また誰かが「見たい」っていう瞬間が来ると思うんです。たとえば子どもとか、逆に親とか。

30年後の世の中がどうなってるか分からないけど、「30年前のデータってパッと見返せないんじゃ?」という気がしていて。よっぽどマメな人じゃないと探すのすら大変そうですしね。

 

 

― そういえば私、Googleフォトの容量がいっぱいになってしまって…。保存し始めた頃はそんなの想像してなかったので、どうしようって困りました。

 

 

小:
まあ、そのへんはAIの進化で変わってくるかもしれないですけどね。

SNSで「10年前の今日」って写真が出てくるのは、データ保存のいい面だなとも思います。ああいうのを見てると面白いし、データもアルバムもそれぞれの使い方かなと。

 

 

 


 

 

 

後編につづく!

 

 

…と、前編はここまで。

意外と話が盛り上がったので前後編にさせていただきます。

 

後編は[データ]を巡るあれこれに話が及びました。お楽しみに!

 

ここまでご覧いただきありがとうございます^^

 

 

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