【こだわり】美しい写真は美しい光から。前撮りに欠かせないストロボのこと[中級編]/ ウェディング撮影ならフォトコザカ
2025.03.03
今回もカメラマンのこだわり編!
ウェディングフォトに限らず、カメラマンがストロボを何に使っているか・どういう効果があるのかを徹底解説していきます。
ストロボの活かし方はプロでも人によって全然違うので、ここでは私たちのストロボの使い方・考え方をご説明しますね。
ちょっぴり難しい内容になるかもしれないので解説キャラを用意してみました笑。
この2人のコメントを交えつつお話ししていきたいと思います^^
スマホのカメラの[フラッシュ機能]を想像してみてください。
シャッターを押すとピカっと光る…すごくざっくりですが、ストロボもそこは同じです。
ですがストロボにも種類が色々。
↑ こんなふうに、カメラに装着するタイプもあれば独立したタイプもあるんです。
一般的なものは画像左の[クリップオン]タイプですが、これにはデメリットも…
カメラの位置からしか光を当てられないため、綿密なライティングには不向きです。
そのためフォトコザカでは100%独立したストロボを使用!
ストロボマンが常時1名ついて最高の光を演出しているのです。
ここからは具体的に[ストロボがなぜ必要なのか]をご紹介します!
① 顔を美しく見せる
② 被写体と背景の露出調整
③ 環境演出
④ 色被りの補正
こんな役割を果たしてくれます!
それぞれ詳しく見ていきましょう^^
① 顔を美しく見せる
結婚式前撮りでは「新郎新婦様のお顔が写ればOK」ではありません。
お顔の立体感や写真・衣装のイメージに合わせた光の当て方をして、写真の中で美しく見えるように調整が必要です。
陰で青暗い、逆光で真っ黒、顔に変な影が入る…そのような環境でも顔を綺麗に写すためにストロボを使います!
例えばこの写真、横から差し込む光はストロボで作ったもの。
ストロボがなければ顔は真っ黒になってしまいます。
新郎様の顔を美しく照らしつつ、自然な光が差し込んだような演出をしています。
② 露出の調整(写真の明るさ)
ロケーション撮影ではこんな状況がよくあります。
青空や桜などの色を綺麗に写そうとすると、被写体が真っ黒く写ってしまう。
蛍光灯しかない室内でそのまま撮ると雰囲気が出ない。顔に入る陰も汚い。
そんな時にストロボが活躍します!
桜など写したいものが1番綺麗に写る露出に合わせて、被写体はストロボで露出を作ります。
この写真もストロボなしではお二人の姿が暗くなってしまいます。
カメラマンは常に人も桜もきれいな発色になるようにストロボで調整しているんです!
③ 環境演出
雨をキラキラ光らせたり、暗い中で人にスポットライトが当たったように撮影したり…
また和傘のシルエットショットなど、ストロボで効果的な演出を作る使い方です。
風景をそのまま写すのではなく、演劇の舞台のようなドラマチックさを演出する事が出来ます。
④ 色被り補正
いろんな色が混在する照明の元で撮影する場合、そのまま撮ると[顔が赤くて背景は青い]という仕上がりになってしまいます。
そんな色被りは写真の雰囲気を壊してしまう要素!
たとえばこの写真もストロボがないと顔がオレンジ一色になってしまいます。
環境にある光より強い光をストロボで当てることで、全体が調和の取れた美しい発色になります。
…と、ストロボの効果4つをご紹介しました!
カメラマンは常にこんなことを考えながら撮影しています^^
ただこの効果を使いこなすのはなかなか難しいもの。
カメラの設定・露出・光の質など写真の知識が無いとうまく扱えません。
[なぜフォトコザカのカメラマンがストロボを使いこなせるか]その理由をこれから深掘りします!
たとえストロボを使ったとしても、当てればOKというわけではありません…
ストロボを使ううえで大切な事、それは【光の当て方】【光の硬さ】【環境光に対する光の強さ】を知る事です!
この3つについて画像を交えながらご説明していきます。
① 光の当て方
画像 ↓ のようなストロボはカメラのフラッシュ機能のように前からバーン!と光るイメージですよね。
このストロボも[写した物の色を綺麗に出す]役割は果たしてくれます。
ですが、実はこんな弱みもあるんです。
・ロケ先ですごく遠くから撮るとき光が届かない
・真正面からしか光らないので、陰影がなくのっぺりした写真に
・顔がテカる
結婚式の披露宴スナップ等ならこれでいいんですが、前撮りで1枚1枚を作品のように仕上げていく場合は雰囲気が台無しに…
文字だと想像しづらいかもしれません。実際の比較を見ていきましょう!
左がストロボなしで撮影した場合。スマホで撮るとこんな感じに写りますね。
右がカメラの上にストロボを付けた場合。写りはしますが綺麗とは言えない仕上がりに…
ここで、ストロボを当てる向きを変えてみます。
人物に立体感が生まれました!
ただこのままでは背景だけ暗く雰囲気もありません。
そこでさらに背景の窓越しの光をプラスします。
これで人物・環境のどちらも綺麗に撮ることができました!
フォトコザカではこんな光を作るために、カメラマンとは別にプロのストロボマンが常に同行して撮影を進めていきます。
ストロボを360度どこからでも向けられることで、
・お客様の顔を鼻筋が通った立体的な写りに
・背景などの環境も美しく
撮っているんです^^
時には3台のストロボを駆使して、その場所と雰囲気に合わせた写真になるよう光を当てています。
【 POINT 】
人物はもちろん、空間全体への光の向け方が大切!
② 光の硬さ
夏の直射日光に照らされると、人物の影がクッキリ出て、暗い/明るいの差がはっきりします。
これが硬い光!
逆に曇りや雨の日は何となく全体が明るく影が出づらくなります。
これが柔らかい光です。
晴れた日に窓のそばに立ったところを想像してみてください。
窓から差す直射日光に当たると、人の顔は[窓側が明るく反対は暗く]、影がクッキリ見えます。
そこで窓と人物の間にレースのカーテンを挟むと…日差しが和らぎ、ふんわりとした光が顔に当たります。この柔らかい光は肌の質感や立体感が優しく見えると思います。
こういった光のコントロールをストロボで人工的に行っているんです!
比較するとこんな感じ。
背景やストロボの位置は同じでも、与えるイメージが全然違う写真に!
カッコいい印象の硬い光は男性に、柔らかい光は女性や自然な雰囲気での撮影に使う事が多いです。
さらに上級的なテクニックでは、一枚の写真の中で光の硬さを使い分けることも。
お顔に当たる光はソフトボックスで柔らかく。
頭頂部やドレスのキワに硬い光を当てることでアクセントを生んでいます^^
【 POINT 】
写真のイメージに合わせて光の硬さを使い分ける!
③ 環境光に対する光の強さ
この環境光が実は厄介者。
赤い照明や青い照明が混在したり、上からの蛍光灯しかない室内などは、そのまま撮っても雰囲気が出ません。
そんな場所ではストロボを使ってあげないと素人仕上がりになってしまうんです。
たとえば、こちらの比較をご覧ください。
この和室は蛍光灯やLED、電球ないろんな色が混じった環境。
ストロボを障子越しに当てることで初めて色のトーンが整います。
ここで大切になってくるのが、環境の光をどう活かすか。
先ほどのテスト撮影では、元々あるオレンジっぽい光を活かしながらストロボの強さを調整しています。
そうするとオレンジ系の温かみも残りつつ、顔には綺麗な光が当たり、全て良いとこどりの写真が完成!
環境光が全く写らないような露出の調整も出来ますが、そうするにはスタジオ並みの設備・大量のストロボが必要になり、ロケーション撮影では現実的ではありません。
私たちは常に環境の光をどう生かすか考え、人に当たる光を綺麗に写すことを心がけています。
【 POINT 】
美しい写真を作るには環境光とストロボ光のバランスが重要!
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。
ここまで見ていただいたように、ストロボを使いこなすことで様々な環境で人物と背景を美しく撮影できるんです。
そしてそのためには光の向きや硬さ、強さをコントロールする力が必要。
簡単に見えてこれが実は難しいんです…!
細かくお話していくともっと沢山の技術が詰まっているのですが…
意外とプロでもここまで知らない人、知っていても出来ない人も多いんです。
特に雨の多い金沢ではストロボが不可欠。
「フォトウェディングの写真ってどこも一緒?」
「カメラは持ってるし自分たちでも撮れるかな…」
と迷っている方は、ぜひ光の当たり方に注目してみてください^^
最後に、ここまでお話した写真作り/光作りはあくまでも私たちの考え方。
それは「自然だけど色と立体感のある写真作りにこだわりたい」いう考え方です。
お二人の門出であるご結婚。お客様がこだわったお衣装やヘアスタイル、お化粧や表情…すべてを[加工ではなくリアルに写したい]という思いで日々撮影しております^^
では今回はここまで!長くなってしまいましたが、フォトコザカのストロボテクニックをご紹介させて頂きました♪
最後までご覧いただきありがとうございます。